斜視の治療で手術を検討するなら知っておきたい5つのこと!
斜視の治療の選択肢として手術がありますが、目の手術って怖くありませんか?
私も実際に娘に受けさせるまでに色々な心配や葛藤がありました。
- 手術はどんな方法でするの?日帰りで出来る?それとも入院?
- 手術は片目でいいの?両眼受けるの?
- 手術したら治るのは視線だけ?弱視も治るの?
- 手術を受けるメリットとデメリット
- 手術費用はいくらくらいかかるの?
そんな疑問についてお答えします!
(様々な見解があると思いますが、我が家(間歇性外斜視の娘)が説明された斜視手術や実際にかかった費用について記録しています。すべての方に当てはまるわけではありませんのでご了承下さい^^)
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斜視で手術を受ける前にチェックしたい5つのポイント
①斜視の手術方法とは?
眼球についている6本の筋肉を斜視の位置・角度に適して調節する手術です。眼を動かす筋肉を調整することで眼の位置を正常な状態にします。
我が家は『白目の部分を切開して、そこから筋肉の筋を出し長さの調節をして縫い合わせる』と説明されました。
大人の場合は局所麻酔で日帰り手術が可能だそうですが、子供の場合は入院して全身麻酔で行います。手術は1つの筋肉に対して20~30分だそうです。 娘の場合はオペ室に入り、全身麻酔の時間も入れて50分ほどで出てきました。出てきた時は麻酔が覚めていて意識もしっかりありました。
②斜視の手術は片目?それとも両眼?
娘の場合、両親から見て右側の目が外側に向いている間歇性外斜視でした。だから当然手術は片目だと思っていましたが実際には両眼の手術を行いました。
娘は親から見て左目の方が機能が高いため右側のみ斜視になっているように見えていましたが、きちんと右目で見させるような検査をすると左目も斜視が出たのです。一見片側だけに見える斜視もこのように実は両目であることが少なくないそうです。
そして片側だけの手術だと逆に片目に負担がかかりすぎると説明され、結果として両眼のオペを受けました。
③手術したら治るのは視線だけ?弱視も治るの?
斜視の手術で治るのは基本的に視線のみ(見た目)だそうです。視力は変わらないので弱視も治るわけではありません。これは眼の機能の手術ではなく、あくまで目を支えている眼球の周りの筋肉の手術だからだそうです。
④手術を受けるメリットとデメリット
斜視の手術の最大のメリットは見た目の改善です。人はどうしても顔を見て会話をしますので印象を大きく左右します。また子供の場合は、周りと見た目が違うことがいじめの原因にもなりやすいです。特に我が家は女の子なので娘自身も自分の見た目に悩むかな?と心配していました。
また手術の成功率も割と高く8割以上の人が1回の手術で完治すると説明されました。
一方デメリットは、筋肉の調整の手術なのでどんな名医でもまっすぐど真ん中に調整することは難しいそうです。例えば外斜視の場合は少しだけ外斜視が残ったり、もしくは逆に内斜視ぎみになってしまうこともあります。 また術後すぐは最適な状態でも数ヶ月~数年(個人差がある)で徐々に戻ってしまい、再手術の必要が出てくる場合もあります。
⑤費用はいくらくらいかかるの?
これは大人か子供か(局所麻酔か全身麻酔で数日入院するかしないか)など条件でも変わります。また子供の医療費などは居住地によっても違いますよね。
ちなみに我が家は東京都在住で順天堂大学病院でオペを受けました。全身麻酔で2泊3日で1400円ほどだったんです(!)東京23区は平成29年現在中学3年生まで医療費の自己負担がないんです。しかも所得制限もなしです!!ではこの1400円は?というと食事代でした。大人の場合でも病院によって違いますが2~3万円相当で受けられるようです。
斜視の手術治療について、少しだけでもイメージが沸いてきましたか?
実際に受けようと思うとどんどん疑問や心配事が浮かんでくると思います。その時は納得できるまで担当医に相談するのが良いでしょう(*^^*)
詳しい手術の体験記や、術後の経過についてはまた別の記事で詳しく書きますね。
【斜視の治療ボツリヌス療法】ボツリヌス菌を注射するの?効果と欠点とは?
手術以外の斜視の治療法はいくつかあります。アイパッチや眼帯を使う遮閉法、眼鏡にプリズムを入れて斜視の目を正常目と同様に見えるようにするプリズム処方などです。
そのほかにボツリヌス療法というものをご存知でしょうか?
ママにとってボツリヌスと言えば赤ちゃんがハチミツを食べた時に感染するボツリヌス菌を思い浮かべませんか?私はまっ先に頭によぎりました(笑)
あの?ボツリヌス菌が斜視の治療に‥!?一体どういうことなんだろう?と頭の中はハテナだらけになりました(>_<)そして娘みーちゃんの間歇性外斜視の治療としても役立つものなのか情報を集めました。今日はその知識をシェアしたいと思います。
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斜視治療「ボツリヌス療法」とは?手術方法と効果・デメリットについて検証!
ボツリヌス療法の歴史は、今から40年以上前の1977年です。アメリカで始めて斜視の治療として用いられました。その後斜視治療の他にも片側顔面けいれん、痙性斜頸の治療にも使用されるようになります。
現在の日本でも、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸などごく一部の治療のみに使用が許可されています。
治療の具体的な中身は、ボツリヌス菌によって作られるボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)を注射するという方法です。
ボツリヌス菌を直接注射するわけではないので、ボツリヌス菌感染の心配はありません。ボツリヌス菌から作ったタンパク質が有効成分となり筋肉を緊張させている神経に作用します。注射した筋肉の周りにしか効かないため全身に作用することもありません。
つまり眼球を支える筋肉に注入することで筋肉の緊張を緩和し斜視の症状を改善するのです。ボツリヌス菌にはかかることがなく、治療の効果もあるなら手術よりも魅力的に感じますが、ボツリヌス療法にも欠点があります。それが効果の持続についてです。
まず注射してすぐに効果が現れるわけではありません。2~3日後から少しずつ症状が改善しその後数ヶ月は効果を発揮しますが徐々に薄れていきます。つまりボツリヌス療法で継続的に効能を発揮するには、何度も注射を繰り返すしかありません。
他の斜視治療と比べて「ボツリヌス療法」は行う価値があるの?
娘の斜視が分かってから4つの眼科に通っていた我が家ですが、このボツリヌス療法についてはどの医師からも1回も紹介がありませんでした。アメリカや日本で行われている治療法ではありますが他の治療法に比べるとマイナーなイメージですね。
また効果が一時的で「斜視を完治させる」という観点から見るとお勧めできる治療法ではなさそうです(>_<)しかしこれはプリズム眼鏡なども一緒んで、基本的に眼鏡をかけている間しか矯正されません。アイパッチなどをしても症状がまったく変わらない・改善しない、そして手術以外の方法で対応したい!という場合には選択肢のひとつとなるでしょう(*^^*)
子供の斜視の治療はいつから始める?手遅れになる前に出来ることとは‥
斜視の治療法には、手術や訓練(アイパッチや眼鏡など)様々な方法があります。
斜視か斜位か判断がつかいない程度の症状だったりするといつから治療をするべきか迷う親子さんも多いです。
うちの娘みーちゃんも眠い時や疲れた時にのみ症状が出る間歇性外斜視だったので実際に手術するまではとても悩みました。全身麻酔でのオペだし手術はリスクもあるので『本当にそこまでする必要があるの?』と思いなかなか決断できなかったのです。
もちろん斜視の種類や症状よっても選択される治療方法や治療の開始時期は異なってきますが、赤ちゃんや子供の斜視の治療はいつごろ始めたら良いのでしょうか?
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赤ちゃん子供の斜視治療はいつから?早期発見・治療が重要な3つの理由
結論から言うと、手術をするしないかは別として斜視は早期発見・早期治療がとても大切です。その理由は左右両方の目を使って物を見る両眼視や立体視に影響が出てくるからです。
子供は生まれてから約1歳で両眼で物を見れるようになってきます。その後この両眼視や立体視、視力は6歳前後で完成します。
斜視の症状がある子供は片目がまっすぐ前を向いている状態の時、もう一方の目のピントがズレています。つまりこのまま放置していくと目は片方しか使われず、もう一方の目が弱視になるだけでなく両目で物を見ることが出来なくなったり、物を立体的に捉えたり、距離感をつかむことが難しくなります。
そうなると、歩いていても転んでしまったり、物をうまく掴めなかったり、日常生活でさえも支障が出てくるのです。
まとめると、斜視を治療する目的は3点です。
- 眼位のズレの矯正(見た目の問題)
- 両眼視機能の正常化
- 視力改善
一般的に乳児内斜視は早期に手術になることが多く、間歇性外斜視は小学校入学前後のオペとなる場合が多いです。
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子供の斜視や目を治療すると学力まで上がるって本当なの?
『斜視の治療はいつから始めるのが良いか?』という疑問に対しての眼科医の答えは手術の有無にかかわらずできる限り早く!ということでした。
そして私は目についての書籍を読むなかでも興味深い内容がありました。
それは視力や目の機能がアップすると学力や成績まで上がるということでした。
人は目で物を見て、情報を捉え、脳で考えて、心に命令し、行動に移します。つまり目と脳や身体は直結している、だから目の機能を上げれば成績も運動能力も上がるそうです。
また幼児期(6歳まで)に正常な機能を持ち合わせていないと、今後大人になりパソコンを使って目を酷使するような仕事にはついていけない可能性が高いそうです。
斜視の治療をいつから開始したか?~我が家の場合~
我が家の場合は間歇性外斜視でした。アイパッチと声かけは1歳ころから開始していました。
(関連記事:斜視の赤ちゃん|みーちゃんの最初の治療アイパッチは効果あったのか? )
アイパッチはともかく声かけって何??と思われるかも知れませんが、この声かけは非常に有効なものだっと思っています。方法はとても簡単で斜視状態になっている時に『みーちゃん、ママの方向いて~!!』とか『みーちゃん、見てみて、これ可愛いよ』とか『みーちゃん、お目目ズレてるよ』と教えてあげるのです。
するとハッと気づいてこちらを見たりしてくれます。
つまり声かけにより見込める効果は2つあります。
- 斜視になっている状態の時間をできるだけ短くすること
- ピントを合わせる訓練ができること
娘は結局5歳の時に手術を受けることになりますが、私の主観としては1日1時間のアイパッチよりも声かけの方が効果があったと思っています。
なぜなら、声をかけてあげればすぐに目を正常な位置に戻すことが出来たからです。
斜視の症状が進むと声かけをしても戻すまでに1分以上かかるお子さんもいるそうですよ。
このように小さなことでも症状を悪化させない工夫はできます。もしあなたのお子さんが斜視かもしれないと思ったら、まずは病院に行って相談してみましょう(*^-^*)